にほんごぱーく NIHONGO PARK

日本語とお散歩の記録です

学習者に合わせた表現を使おう

人に何か伝えるとき

教師に限らず、人にものを伝えるときは相手が理解できるように話すものです。大人が子供に話すとき、専門家が講演会で一般市民に話すとき、世界の研究者が一同に会したとき…相手が理解できる言葉や表現を使っているのが普通です。逆に、小難しい表現を使って説明されると、どうでしょうか。(´・ω・`)ナンノコッチャと思い、聞く気も失せていきます。

ティーチャートークに慣れるまで

日本語教師が教えるときに使うのは「ティーチャートーク」。学習者が理解可能な言葉や表現を使う話し方です。学習したことだけで表現しようとするので、言葉としてやや不自然な表現などが使用されることもあります。「語彙コントロール」もティーチャートークの一種と言えると思います。

教師になりたてのころは、この調整がなかなか難しいと思います。「理解可能」の程度がわからない、教科書に沿ってやっているいると、どの表現がいつ出てくるのか把握できていないため学習者が知らない表現を使ってしまうこともあるでしょう。まだ知らない語彙を使ってしまい、学習者に伝わらず、( ゚д゚)ポカーンとされることも…。

これは誰しもが通る道だと思います。この段階で難しい、また知らない語を多用してしまった…と思えるなら、一歩先へ進めるでしょう!

私はこれまでテキストを4種類ぐらい渡り歩いています。初級の大体の項目や順序はつかめているのですが、微妙に違うので「あ~、これ、『みん日』では結構あとだった!(;・∀・)言ってしまった…」ということはよくあります。ま、( ゚д゚)こういう顔をされたときに、サッと対応できれば問題ないので、パーフェクトである必要はないと思います。最低でも、導入時の説明の表現は既習事項でまとめたいですね。

いつまでもティーチャートークに漬け込む人

正直、私はティーチャートークに縛られたくないと思っています。なぜなら、教室外にはティーチャートークのようなわかり易すぎるものは転がっていないからです。ただ、教室では、上記の通り、学習上の絶対必要&重要なところはティーチャートークを使用します。それ以外は、理解に影響がない範囲で普通の表現を使うようにしています。ちなみに、「普通の表現」というのは、教室用に加工されていない、母語話者が通常使用しているものです。それが本当の言葉だと思うからです。

最近思ったんですが、初級も終盤に差し掛かってきたのに、日常会話にも複文を全然使わない先生がいらっしゃったのです。(;・∀・)「え!まだそんな話し方じゃなきゃ駄目なの?!いつまでもそんな話し方じゃ、教えている意味ないし、不自然じゃん!」と思いました。学習者も「え、難しいのを覚えても、センセは全然使ってない!使わなくてもいいじゃん!」と思うのではないでしょうか。

「教室と外との話し方にギャップがある」という話はよくあります。いつまでもティーチャートークに漬け込むと、このギャップに悩んでしまうでしょう。学習者のレベルに合わせて、ティーチャートークの内容も変えていきたいところです。

まとめ

最初の話に戻りますが、ティーチャートークも相手に合わせて話すだけのことです。

日本語のレベルが上がれば、使える表現も増えていきます。いつまでも初級だと思ってしまうのは良くありません。相手が到達したい目標までの過程を考え、今、どういう話し方で接していくことが、相手にとって良いことなのか、今一度考えてみましょう!\(^o^)/