使いたくない言葉:「~を入れる」
「今日の授業で可能形を入れたけど、まだ定着していない」
「その言葉は昨日入れました」
「Xを入れる」という言葉をよく聞くようになりました。今となっては、業界用語なのだと思って聞いていますが、わたしは使いません。実は過去に使っている人と出会ったことがありませんでした。
以前見かけたツイート
Twitterで以下のツイートを見ました。これを見たのが先で、「こんな言い方するのか。ほ~。」と思ったものです。
恩師故土岐哲先生は常に、日本語教育で「(項目が/を)入る/入れる」は絶対使うなと言われていました。昨日授業で話したとき、この言い方に"Metaphors we live by"風に言えば、学生を「容器」と見て教師が知識を流し込むという教師の意識が反映していることに気がつきました。
— 庵 功雄 (@isaoiori) 2015年9月10日
このツイートを読んでいたこともあって、実際に聞いた際に、変な感じがしました。教師の潜在的な意識は、知らず知らずのうちに身についてしまうものかもしれません。想像ですが、教師養成のセンセが使っていらっしゃって、それが受講生に影響しているのではないかな…。
業界用語と見なして、他人にアレコレ言わないようにしていますが、もし自分が後身を育てる立場になったら、使わせたくないなと思っています。語学教師である以上、やはり1つ1つの言葉遣いには気をつけないと…。
代わりにどういう用語を使うかと聞かれても、特別なものなんてありません。「可能形を扱いましたが、まだ定着していません」「その言葉は昨日教えました」でいいと思います。