『日本語教育に役立つ心理学入門』を読みました。
初学者向け。日本語教育に関わる人にとってぴったりな内容だと思いました。ちょっと難しいキーワードもあるかもしれませんが、それぐらいが丁度いいですね。各章の終わりに読書案内もあるので、もっと勉強したくなるのがよいです!( ̄▽ ̄)
第6章で出てくる「適性処遇交互作用」の話に興味を持ちました。
学習者の適性と指導方法が適合すれば効果は大きいけれど、そうでない場合は効果が小さいということです。(p.86)
簡単に言えば、文法をがっつり教えてもらったほうが伸びる人もいれば、それは性に合わないという人もいるということです。「適性」の意味はこの本に書いてあるとおりで、いろいろなもの(年齢、動機づけ、ビリーフ…)があって、おそらく一人ひとり違うでしょう。この「適性」を見極めて、効果的な教え方ができたら、ハッピーなのだろうと思いました。
みんな個別指導にするのは現実的ではありません。組織の中にいて教えなければならないこともあります。ただ、そんな中にいても、学習者の様子を見るのは変わらないわけです。少しでも、彼らそれぞれの「適性」を見極めることができれば、学習のサポートはできるかなと思いました。( ̄▽ ̄)何もしないより、断然いい!
最後の第12章では、「異文化摩擦を緩和する異文化トレーニング」ということで、ステレオタイプの話や、摩擦を緩和するための方法などが書かれていました。
異文化摩擦って、もはや外国人との間だけのことではないなと思いました。自分とそれ以外というと、広すぎるかもしれませんが、自分の思考が及ばない範囲の物事は、異文化だろうなと…。
異文化にふれると、違和感を覚えることはあります…。そんなときの「判断留保」!(^o^)「ん?」と思ったときには、一旦立ち止まって、相手の立場で考えてみたり、じっくり考えてみたり…。自分の価値観だけで判断しないようにしたいものです。
最後にこんなことが書いてありました。
どのような文化的背景を持つ相手でも、一方的かつ硬直した物の見方では相互理解には至りません。多角的で柔軟な視点がもてるよう日頃から自分の行動を客観的に振り返ることが重要です。(p.201)
ほんとこれです。忘れないようにしたいです。