心理学ジュニアライブラリ01『じょうずな勉強法: こうすれば好きになる』を読みました。
中高生向けに書かれた心理学の本です。勉強方法の具体的なものが書いてあるわけではなく、学習に向かう姿勢を心理学的な視点から見た本です。歴史や物理などの史実や法則などを、ただ覚えるのではなく、関連させて覚えたり、日常世界と結びつけたりして覚えたりすることで、学習そのものが面白くなるという話でした。
教師として読むと、間違えることは学びのチャンスであること、「学習観」の説明、疑問を持つことが理解や覚えることにつながる一歩だ、という話が興味深かったです。
学習観はふだん意識化されることがありません。「考える過程を重視する学習観」「意味を理解しようとする学習観」は良いと思いますが、次のパターンもよくあるようです。答えが正しければいい「結果主義」、意味もわからずに事実や手続きを覚える「暗記主義」、勉強は繰り返し慣れていき、学習量や時間ばかり気にする「物量主義」。(;・∀・)確かにこういう学習者はいますよね。
日本語学習者も、答えに至る過程を疎かにしてはいけないと思います。「正しく言えた、でも、どうしてそれが正しかったかわからないな~」と思って、教師に説明を求めたり、自分で調べたりできれば、いい学習ができているのでしょう。それができない人、また、上記の誤った学習観を持った人には、何らかの働きかけが必要ですね。
また、「自分と接点を持つということが、長い間忘れない知識となる」という話も印象的でした。日本語を教えるときも、導入や場面設定、言葉の1つ1つも、その学習者の状況などに関係づけることが重要だと思いました。
ただ「覚えなさい」というだけの教師の授業より、学習者と接点を持たせた内容の授業をすれば、負担など感じないで覚えることができるのではないでしょうか。
個人的には、この本の物理や化学の話が面白かったです(笑)「別の知識と関連付ける」、「自分と接点を持つ」ということを体感したい方にもおすすめです。わかっているようで、本当はわかっていなかったことがわかりました。なんにでも疑問を持って、それを聞けるということは大事ですね。教師としては、それができる雰囲気を作ることが大切ですね。