にほんごぱーく NIHONGO PARK

日本語とお散歩の記録です

いちねんぢゅう

深谷駅にあった看板。

いちねんぢゅう泳げます。

漢字で書けば「一年中」ということですが、「いちねんじゅう」とするか「いちねんぢゅう」とするか。みなさまはどうでしょうか。これを見たとき、もともと「中」は「ちゅう」と読むから間違いとは言えないけれど、なんとなく落ち着かない印象を受けました。(・o・)

結論から言えば、基本は「じ」、ただし、「ぢ」もOKということになっています。

 

その根拠は、内閣告示・内閣訓令の「現代仮名遣い」にあります。

本文 第2(表記の慣習による特例)の「5 次のような語は,「ぢ」「づ」を用いて書く。」のところに説明があります。(例は一部省略)

(1) 同音の連呼によって生じた「ぢ」「づ」

例 ちぢみ(縮)…〈略〉… つづみ(鼓) つづら つづく(続)

(2) 二語の連合によって生じた「ぢ」「づ」

例 はなぢ(鼻血) そえぢ(添乳)…〈略〉

 なお,次のような語については,現代語の意識では一般に二語に分解しにくいもの等として,それぞれ「じ」「ず」を用いて書くことを本則とし,「せかいぢゅう」「いなづま」のように「ぢ」「づ」を用いて書くこともできるものとする。

例 せかいじゅう(世界中)   いなずま(稲妻)…〈略〉

これに則ると、「一年中」は「世界中」と同じ用に解釈できそうです。基本は「いちねんじゅう」、ただし、「いちねんぢゅう」と書くこともできる、ということになります。

原則からはずれると目を引いてしまう、広告にはぴったりかもしれませんね。( ̄▽ ̄)

ちなみに、「じ」「ぢ」、「ず」「づ」はまとめて四つ仮名と呼ばれます。はるか昔は異なる音でしたが、徐々に差がなくなったそうです。