『会話の授業を楽しくするコミュニケーションのためのクラス活動40―初級後半から上級の日本語クラス対象』です。
コミュニケーションを行うための活動が紹介されている本です。
「この文法を教えたからこの活動をする」というものではありません。対人場面で自分の伝えたいことを相手にうまく伝えるにはどうするのか、そういう練習をすることができます。
授業の大まかな流れが書かれていますし、ワークシートもあります。さらに、実際に授業を行っているような雰囲気になる部分もあります。進行の仕方の良い例・悪い例、学習者の発話の仕方の良い例・悪い例などです。これを読むだけで、授業でどう指示するか、自分の役割は何かというのが把握できます。想定問答集のようなものですが、あるあるネタだと思います。
結局、教師は何をやっているのか…。学習者が円滑に話せるように問いかけたり、次の活動へうまくつなげていったりしています。つまり、ファシリテーターをやっているのです。日本語を教えるというより、使うことを重視した活動になるでしょう。
中級以降の会話、特定のテキストがないような場合に、非常に役立つと思います。「上手な意見の伝え方」にある読解文は、議論する前に全員で一緒に読んだのですが、なかなかえぐい内容になっています(笑)学生の「え~(´・д・`)」という顔が忘れられません!