『日本語教師のためのCEFR』をご紹介します。
CEFRという言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。それって結局どういうものなの?という疑問にわかりやすく答えてくれるのがこの本です。説明はこの本に譲るとして、感想を書きたいと思います。
「複言語主義」「行動中心アプローチ」がどういうものを目指しているのか、この本を読んでよくわかりました。それを教室でどう実現するのかということにもきちんと触れられています。実践例も後半に載っていて、明日から少し意識してできそうな内容もありました。
これを読む前は、「行動中心アプローチ」という言葉を見るたび、これまでの教授法や授業の展開がすべて良くないものと見なされているように感じていました。もちろん用途のわからない表現を意味もなくただ繰り返すみたいなものは良くないと思いますが、プロセスとして取り入れていたパターンプラクティスも良くないのかなと思っていました。使えるところに持っていけた実感はあるけどな~とモヤモヤ…(´・ω・`)
CEFRでは、別に他の教授法は否定されていないということがわかりました。何よりも大事なことは、学習者が直面する「課題」があって、そのために必要な「活動」を行うということです。どんな教え方をするにしても、「~するために、この表現が必要だ」とか、「どうしてパタプラをするのか」とか、1つ1つに「なぜ?」と問いを向けて、授業を組み立ていくことが必要です。教師が扱う内容や、その手法を用いる意味を説明できるようにしないといけないですね。
教えること以外には、学習者の能力の捉え方が興味深かったです。「一般的能力」も今一度捉え直すができました。日本語能力を評価することがメインなので忘れがちですが、学習者の能力ってそれだけじゃないということをいつも頭の片隅に置いておきたいものです。またそれが言語学習の補強になったりしますし…。
「自己評価能力」の話もありました。これはわたしにとっての課題です。学習者が自分自身のことをちゃんと評価できるのかと疑心暗鬼…。うまくできるようになる導き方を今後模索したいですね。もとからうまくできる人もいますけど、過大評価・過小評価する人もいますから…(;一_一)