にほんごぱーく NIHONGO PARK

日本語とお散歩の記録です

『背の眼』を読みました

背の眼(上) (幻冬舎文庫)

道尾秀介『背の眼(上)』『背の眼(下)』を読みました。

主人公の道尾くん(筆者と同じ)が白峠村で変な声を聞いたことから話は始まります。学生時代の友人・真備(まきび)のもとへ行くと、白峠村近辺で背中に眼が写った心霊写真があり…みんなで白峠村に乗り込むというお話です。

霊や特殊能力が絡むお話はあまり積極的に選びませんが、これは程よくホラーとミステリーが相まって、非常に楽しめました。キャラクターや情景が目に浮かぶようで、スルスルと読めました。

本筋と何の関係もありませんが、気に入ったところがあります。真備の助手の凛を含め、3人で白峠村に到着し、ストーブのある待合所でバスを待っているところ。

彼はこきこきと首を鳴らし、ついでにわたしの顔を見て、「持ってないよねスルメ」などと小声で訊いてくる。私は「当然だろ」と答えた。が、じつは持っていた。長旅の電車内で食べようと、自宅にあった食べ残しのスルメを今朝ラップで包み、バッグに入れてきていたのだった。しかし電車の中でいきなりスルメなどを食べはじめては凛が嫌がるのではないかと思い直し、これまで出さずにおいたのだ。もうここまできたら、私はスルメの所持はあくまで隠しとおすつもりだった。

(゚∀゚)もってたんかーい!このスルメは、のちのちもう一度描かれます(笑)

道尾くんは、基本素直な感じがしますが、ときどき見栄っ張りな感じもあり、なかなかおもしろい人だと思いました。

真備シリーズは、あと2作品あるので、またいつか読みたいと思います!