貫井徳郎『愚行録』を読みました。
とある一家の殺人事件が起こり、その夫婦に関係する人々のインタビューを寄せ集めたような話。
色んな人の話が亡くなった人のイメージを作り上げていくような感じでした。知らない人のことを周囲の言葉から判断してしまうことで、本当のその人のことを知らないのに、まるで見て知ったかと錯覚させます。
ワイドショーやニュース番組で「ずっと前から怪しいと思っていたんです」と言われて、「ああ、怪しい人だったのか」とちょっとも知らないのに信じてしまう、あの感じです。
最後には、ちゃんとなにが起こったかチラッと見えます。|д゚)
終盤、ちょっと戻って読みかえしてしまいました。たまにはこういう進み方の話もおもしろいですね。