にほんごぱーく NIHONGO PARK

日本語とお散歩の記録です

『愚行録』を読みました

愚行録 (創元推理文庫)

貫井徳郎『愚行録』を読みました。

とある一家の殺人事件が起こり、その夫婦に関係する人々のインタビューを寄せ集めたような話。

色んな人の話が亡くなった人のイメージを作り上げていくような感じでした。知らない人のことを周囲の言葉から判断してしまうことで、本当のその人のことを知らないのに、まるで見て知ったかと錯覚させます。

ワイドショーやニュース番組で「ずっと前から怪しいと思っていたんです」と言われて、「ああ、怪しい人だったのか」とちょっとも知らないのに信じてしまう、あの感じです。

最後には、ちゃんとなにが起こったかチラッと見えます。|д゚)

終盤、ちょっと戻って読みかえしてしまいました。たまにはこういう進み方の話もおもしろいですね。